夜空のルーナ 4
ユノはせめてあと一週間、いや三日間でいいチャンミンと続けて一緒にいたいと願いました
チャンミンもやはりあと数日間だけ、一緒にいたいと願いました
二人の想いは切なくて、お互いに相手には言葉に出来ませんでした
それでも夜が終わり、ユノの月が見えなくなると…チャンミンは呟くように祈りました
あと少しだけ長くユノと一緒にいさせて下さい
抱き合うだけで終わらないように、ユノともっと会話を楽しみたいんです
ユノも太陽と交代して、チャンミンの姿が見えなくなると祈りました
あと三日間だけでいいんです、チャンミンと続けて一緒にいさせて下さい
抱き合うだけで終わらないように、お願いいたします。
マーズとヴィーナスは話し合いました
そしてある年
ユノはチャンミンの姿が見えない時間に
マーズから話しかけられました
「三日間の願いを叶えよう」
「本当ですか? ありがとうございます」
「ただし、三日間を一秒でも超えたら永遠の命が終わるから…気をつけるように」
「わかりました。ありがとうございます!」
ヴィーナスはユノの姿が見えない時間に
チャンミンに話しかけました
「三日間だけ、一緒にいさせてあげます」
「本当ですか?」
「ただし、三日間を一秒でも超えたら、永遠の命が終わるから気をつけるように」
「わかりました。ありがとうございます!」
Luna
きたきた~チャンミーン❤️
待っていたよ~😆
大好きだー
カッコいい
本当にありがとうー😆❤️
素敵だ~
Luna
ビジュアル最高😃⤴️⤴️
マネキンよりもスタイルが良い😆😆
夜空のルーナ 3
1年に1度の逢瀬もあっという間に終わってしまう
また来年まで遠い空の彼方の月になるユノ
冥界で魂の浄化するチャンミン
もう何十回こうして別れては1年がたち
逢って抱き合っているのだろう
僕達は永遠の命を与えられた時から歳をとらなくなった
何時までも美しいユノを見つめるだけの時間も欲しかった
もっともっと会話を楽しむ時間が欲しかった
チャンミンは別れ際にいつも、そんな後悔に似た感情を持っていました
それはユノも同じでした
もっと美しくて可愛らしい恋人を眺めていたかった
もっともっとお互いに笑い転げてみたかった
ユノはチャンミンと逢うと、期待と欲望が優先してしまう自分が嫌だった
チャンミンの髪を顔を唇を…もっと撫でて、ただその頬に自分の頬を寄せたかった
Luna
夜空のルーナ 2
ヴィーナスは仲の良い、天空を支配する神のジュピターにお願いをして一人を天空の月にしてもらいました
そして、もう一人は冥界を司るプルートーにお願いをしてしまいました
それを知ったマーズは大変に怒り、妻と大喧嘩をして、妻は仕方なく1年に1度だけ二人が人間の姿に戻って会えるようにしました
マーズはキューピッドにお願いをして、矢を放ってもらったのに1年に1度しか会えないのなら、せめて永遠の命を与えてたくさん会えるように尽力を尽くしました
冥界で死後の魂を浄化させる仕事に励むチャンミンは、毎晩月に向かって話しかけました
月になったユノはチャンミンをいつも優しく照らしました
でも毎晩の逢瀬はヴィーナスが許しませんでしたので、時には雲がかかって月が見えない夜もたくさんありました
1年に1度逢える日は人間の姿に自然と戻る
約束を交わさなくても気がつけば 同じ時、同じ場所に並んで立っていました
微笑み合い、抱きしめ合い、口づけを交わす
そして どちらからともなく手を繋いで指先を絡めながら歩く
何故その場所がわかるのか…二人になれる部屋に行き着くと、時を無駄にすること無く溶け合うように結ばれる
神々の小さな気持ちのやり取りに
振り回されてしまった二人
それでも誰を恨むわけでもなく、この重要な逢瀬の時間を与えられた事に感謝までする二人
肌を滑らせる唇も、舌も、掌も…一時も止まること無く隅々を這わせる
こんなに愛し合える相手に出会った奇跡
キューピッドの矢が刺さった時の驚きと衝撃
キスをした時に感じた懐かしさ
全てが満たされて深く深く繋がる
例えまた違う生を生きたとしても、必ず出逢える予感が二人を更に幸せにする
与えられた永遠の命は決して喜ばしいものではないけれど、それも神からの贈り物だから受けとめよう
ユノ…
お互いの名前を耳元で囁ける
年に一度のチャンス
甘い吐息の中で 何度も相手を呼ぶ
時には繋がったままで命が果てれば良いのにと、…深い快感の中で思ったりしました
Luna